貝類の中でも人気なのがホタテ!買ったり貰ったりしたはいいけど…
「殻付きホタテの下処理ってどうやるの?」
「ホタテの捌き方やウロの取り方がわからない」
「殻付きのベビーホタテって下処理が大変そう」
こんな悩みを抱える人がとても多いですよね。
ホタテ産地の青森でも、殻付きホタテの下処理ができない人は多いんです。
安いけど下ごしらえがメンドクサイと思われがちなベビーホタテ。元ホタテ水産加工員だった私が、下処理方法をお伝えします。
殻付きホタテの捌き方
殻付きホタテの捌き方は人によって違うので「正解」はありません!
私が働いていたホタテ加工場では、殻に貝柱が残る捌き方はNGでした。
先輩たちに教わった捌き方をまとめたので、参考にしてくださいね。
①白い殻を上、紫の殻を下にして手のひらに乗せる
②ホタテの貝柱の左側にヘラを刺す(貝柱に向かってヘラを1発だけ刺すこと!何度もヘラを抜き差しすると、貝柱がボロボロになるので注意)
スプーンの場合は窪んでいる面を上にして差し込みます。
③ヘラを殻に沿わせて、円を描くように右へスライドさせる(殻から貝柱を切り離す)
④手のひら側の殻(紫色)を取る
⑤身の付いた殻を手のひらに乗せる(ホタテのウロを親指側に向ける)
⑥ウロの左側の貝ヒモ下にヘラを入れる→ウロをヘラで起こす
⑦指でウロを軽く掴み、ホタテの貝柱に沿って円を描くように切り離す
⑧ホタテの貝柱の右側にヘラを刺す→ヘラを殻に沿わせて、円を描くように左へスライドさせる
⑨ホタテの貝柱がキレイに取れます
ホタテのウロの取り方
ホタテのウロの取り方は、2つの方法があります。
・殻から貝ヒモを取る前
・殻から貝ヒモを取った後
それぞれのやり方を詳しくお伝えします。
殻から貝ヒモを取る前
①ホタテの殻を片側だけ外してむき身の状態へ
(この記事の見出し「殻付きホタテの捌き方」の⑤番の状態にする)
②ホタテのウロの左右をヘラでブツッと切る
③ウロを指で取り除く
ホタテのウロは貝ヒモとつながっているので、②の工程で説明したように、ヘラでつながっている部分を切り離します。
あとは指でホタテの貝柱からウロを切り離すと、簡単に取り除けます。
殻から貝ヒモを取った後
①ホタテを貝柱と貝ヒモ&ウロの2つに分ける
(この記事の見出し「殻付きホタテの捌き方」の⑨番まで終わらせる)
②貝ヒモを右手に、ウロを左手に持って軽く引っ張る
簡単なホタテのウロの取り方は「殻から貝ヒモを取った後」です。
軽い力だけで貝ヒモとウロは離れますが、ホタテの捌く量が多いと手間がかかります。
少量なら殻からホタテをすべて捌く前に、ウロを取り除いた方が早いですよ。
ホタテの下処理「洗う」
ホタテの下処理として、洗うことをおすすめします。
貝柱や貝ヒモなどには、細かい貝殻や海の生きものなどが付着していることが多く、臭いや風味に影響を与えます。
よくホタテは塩水で洗った方がいいといわれていますが、我が家は水道水で洗っています。
塩水で洗うときは、塩分濃度3%がおすすめです。
ホタテの貝ヒモ(ミミ)を洗う方法
ホタテの貝ヒモを洗うとき、一番便利なのがみかんのネットを使うことです。
みかんネットにホタテの貝ヒモを入れた後、揉み洗いすると黒い汚れが取れます。結構しっかりめに揉み洗いしないと汚れが落ちません!
みかんネットがないときは、新品の排水溝ネットでも代用できます。
ほかには、ザルにホタテの貝ヒモを入れて、網目部分に押し当てるように洗う方法もおすすめです。
また、ボウルにホタテの貝ヒモと塩を大さじ1くらい入れて、揉み洗いする方法もあります。
塩を使った洗い方は、貝ヒモ全体がしょっぱくなるので、食べるときは流水でしっかり塩を洗い流してくださいね。
ホタテの稚貝の下処理・下ごしらえ
ホタテの稚貝の下処理は、殻付きのまま「調理する・しない」で方法が変わってきます。
殻付きのまま調理する
ホタテの稚貝を殻付きのまま使うときは、下処理が必要です。
①殻の外側をたわしで洗う
②流水で貝殻の破片を洗い流す
③殻付きのままホタテの稚貝を調理
2つの下処理をしっかりおこなわないと、殻付きホタテの稚貝を食べたときに、貝殻が口の中に残る可能性があります。
たまに、ホタテの貝殻に白くて細長い線状の突起物や、フジツボが付着している場合があります。
白い線状のものは、釣りエサであるゴカイの仲間「カサネカンザシ」という生物です。
ほたて貝やホヤ、海藻類などに固着する性質があり、石灰質の管を作って住処にしています。
付着したまま調理しても問題ありませんが、臭みや風味が変わる可能性があります。
ホタテの殻に付着したカサネカンザシが気になるときは、取り方はスプーンやバターナイフなどで削り取ります。
付着している細長い管は石灰質で形成してあるので、力を少し加えると取れます。
全体的に削り落としてから、最後にたわしでゴシゴシ擦るとホタテの稚貝がキレイになりますよ。
殻付きのまま調理しない
ホタテの稚貝を殻付きのまま使わないときは、食べやすいように下処理が必要です。
①ホタテの稚貝を全体的に洗う
②殻付きのまま茹でる
③ベビーホタテだけ取り除く
④ベビーホタテのウロを取る
ホタテの稚貝を殻付きのまま調理しないので、貝殻に付着した生き物たちを取り除かなくて大丈夫です。
殻ごと全体洗った後、大きな鍋でホタテの稚貝が浸るくらいのお湯を沸かし煮ます。
我が家はほたて貝の半分のお湯を沸かして、蒸して下処理しています。
ホタテの稚貝をお湯に入れて、沸騰してから約5分ほど経過してから引き上げます。
貝殻からベビーホタテを取り外し、ウロと呼ばれる黒い部分と身を分けます。
ベビーホタテの身に小さな貝殻の破片などが付着している場合は、流水で洗い流しましょう。
ホタテ(半生貝/成貝)・ベビーホタテのおすすめ料理
ぶりんとした食感に甘みたっぷりのホタテ。小さいながらも、旨味をギュッと濃縮していて美味しいベビーホタテ。
ホタテは一年目を「稚貝」、2年目を「半生貝」、3年目を「成貝」と呼びます。
2年目以降のホタテと違って、下ごしらえが難しい稚貝。どんな調理にするのかも悩みどころですよね。
稚貝はウロだけ外して貝ひもまで丸ごと刺し身にすると、甘みが強くプリッとしてとても美味しいですよ!
ホタテはどんな調理方法がおすすめなのか、我が家でよくやる料理をまとめました。
半生貝や成貝のホタテは刺し身
大きなホタテは焼いたり煮たり蒸したりと、さまざまな調理と相性バッチリ!
せっかく新鮮なホタテが手に入ったなら、やっぱり刺し身が一番おすすめです。
ホタテは切り方で味わいが違うので、貝柱を立て切りや横切りなどにして食べ比べしてみてくださいね。
ホタテの稚貝の味噌汁
ホタテの稚貝といったら、味噌汁が定番!
ホタテの稚貝からいい出汁が出るので、顆粒だしは入れません。ですが、ホタテの稚貝の量が少ないと、旨味エキスが足りないので顆粒だしで味を調整するのもおすすめです。
ホタテの稚貝の炊き込みご飯
ホタテの稚貝は炊き込みご飯にすると、何杯でも食べられます!
下処理として、ホタテの稚貝を殻付きのまま洗い、殻から身を取り外します。
貝柱の一部は強い筋肉になっているので、一番始めに殻から切り離すのがポイントです!
ホタテの身をキレイに洗い、生の状態で炊き込みご飯の具として使います。
我が家は醤油やみりんなどではなく、めんつゆ1本で味付けをしています。
いつもめんつゆは目分量で入れていますが、お米2合なら大さじ2、3合なら大さじ3くらいです。
できるだけ薄味で仕上げて、出来上がって味が薄かったらめんつゆをプラスして混ぜるのがおすすめです。
生のベビーホタテを使った炊き込みご飯は、ボイルしたホタテの稚貝と違ってプリプリしていて美味しいんです!
しかも、ボイルホタテを使うより生ホタテの方が旨味を強く感じるので、我が家はこの方法で炊き込みご飯を毎回作っています。
ベビーホタテ入りパスタ(スタミナ源たれ味)
ベビーホタテは青森土産の人気品「スタミナ源たれ」と相性がとってもいいんです!
我が家はホタテの稚貝が手に入ったら、ホタテパスタを作っています。
源たれは玉ねぎやにんにく、りんごなどがたっぷり入っているので、たれに入った素材とパスタ、ベビーホタテがよく絡んで美味しいんです!
料理が苦手でも作れるので、ぜひ調理してみてくださいね。